第42回式年遷宮記念出版
Kamo-wakeikazuchi Shrine historical materials
賀茂別雷神社文書は、平成18年に国の重要文化財に指定されました。
約14,000点という膨大な数の古文書には、神社の由緒はもちろんのこと、神道・政治・経済・文化などにかかわる重要な内容が大量に含まれています。このたび当社の第42回式年遷宮を記念して、これら文書群の翻刻に着手することとなりました。何十年と続く大事業ではありますが、確実に編纂を遂行してまいりたいと存じますので、ご期待下さい。
賀茂別雷神社史料編纂会会長・賀茂別雷神社宮司
田中 安比呂
協賛 株式会社ゼロホールディングス
第1回配本 諸神事註秘抄〈上・下2冊〉 ー 完売いたしました ー
『諸神事註秘抄』(重要文化財)とは、賀茂別雷神社及び貴船神社の諸神事について、詳細に書き留めた記録書。賀茂(岡本)清足が寛保3年(1743)に仕上げ、清足の養子経堅が浄書して、文化2年(1850)に完成。本書はその書写本。神事を正月から12月まで順次記載し、さらに神饌についても詳述した貴重本である。
第2回配本 絵図
賀茂別雷神社所蔵絵図(重要文化財)、全141点のなかから68点を厳選して紹介。中世の境内絵図から、近世の境内における景観やさまざまな図示より、本社の歩みを読み取ることができる。江戸時代までの絵図には仏教施設も明記され、また貴船神社の境内図も収録されて、神社絵図集として大変貴重。全点、高精細デジタル画像。
第3回配本 氏人置文
賀茂別雷神社に奉仕する神職集団である氏人は、厳密には社司と氏人に別れ、前者が4家(近世前期以降7家)であったのに対し後者は140家の大集団であった。かれらは13世紀中期以降、「惣」をむすび賀茂六郷や賀茂社家町の領主として独自の世界を形成していた。神事・祭礼から日常の生活規範にかかわることを事あるごとに置文を作成していたこともそのひとつである。今回、享徳2(1453)年から寛文年間(1661~72)までの置文などを全文とりあげた。
第4回配本 氏人起請文・請文・請状
賀茂社に奉仕する氏人たちの日常の勤め方から日々の生活規範などをとり決めた起請文は、賀茂・片岡・貴布祢大明神などへ誓約文言をしるし置文とは性格を異にしている。また、公儀触書への氏人たちからの請状は、17世紀前期、賀茂の社会が直面する様々な問題を浮かびあがらせる。さらに、寛永16年(1639)の吉利支丹改帳は京都市内でも珍しいものである。本巻は、昨年の『氏人置文』に引きつづくものである。
第5回配本 賀茂神主経久記Ⅰ
賀茂別雷神社には「賀茂神主経久記」と総称される史料6点があります。いずれも鎌倉時代後期に神主(社務)を勤めた賀茂経久自筆とされる記録類で、鎌倉時代の神社の様子を知ることのできる貴重な史料です。2002年に重要文化財指定。『賀茂別雷神社史料』では、「賀茂神主経久記」Ⅰ・Ⅱの2冊に分けてこれらを紹介しますが、本冊には6点のうち「賀茂旧記」「乾元二年日記」を収めました。
第6回配本 氏人置文新刊
明治以前、賀茂別雷神社の祭祀などに奉仕した氏人たちについて一巻で置文、二巻で起請文・請文・請状で紹介した。今回は、賀茂社内で生起した様々なトラブルに対し氏人側から朝廷や幕府へ訴えた相論関係文書を、十七世紀に限定して取りあげた。京都所司代をして「公事好き」、寺社奉行をして「天下一の公事所」と評された賀茂社の氏人たちの訴詔運動への逞しい姿勢を読み取られることを願う。
2024年3月発行予定第7回配本 氏人花押集(仮称)
【今後の配本予定】武家書状/賀茂神主経久記Ⅱ/賀茂六郷/氏人・職掌