第5回配本賀茂神主経久記Ⅰ

賀茂別雷神社には「賀茂神主経久記」と総称される史料6点があります。いずれも鎌倉時代後期に神主(社務)を勤めた賀茂経久自筆とされる記録類で、鎌倉時代の神社の様子を知ることのできる貴重な史料です。2002年に重要文化財指定。『賀茂別雷神社史料』では、「賀茂神主経久記」Ⅰ・Ⅱの2冊に分けてこれらを紹介しますが、本冊には6点のうち「賀茂旧記」「乾元二年日記」を収めました。「賀茂旧記」は、賀茂社にかかわる事項を記した年代記で、建久4年(1193)4月~文永11年(1274)8月までの記事があります。賀茂別雷神社の神事、競馬の様子や、遷宮に関する記事、社内で起きる様々な出来事、承久の乱を始めとする政治的事件など幅広い記事があります。「乾元二年日記」は、乾元2年(1303)の経久の日記です。日々の神事や、亀山上皇・後宇多上皇の参詣の様子、院御所での蹴鞠会への参加などが記されています。

2021年11月30日発行 ISBN978-4-9912152-1-6
A5版・口絵カラー/本文1色刷・上製本(口絵8頁・本文280頁)
【企画・編集】賀茂別雷神社史料編纂会
【発行】山代印刷株式会社出版部
【定価】4,000円(税込)